【ミニインタビュー】2022年度審査員 末次由紀さん
第4回目のインタビューは、テレビアニメや実写映画にもなり、世界中で愛されている人気漫画『ちはやふる』の作者である末次由紀さんにお話を伺いました。
コピックユーザーでもある末次さんに、コピックとの出会いや、応募者の方へのメッセージについてご回答いただきました。
福岡県生まれ。1992年『太陽のロマンス』でデビュー。2007年から「BE・LOVE」(講談社)で『ちはやふる』の連載を開始。第2回マンガ大賞2009、「このマンガがすごい!2010」(宝島社)オンナ編で第1位。2011年には第35回講談社漫画賞少女部門を受賞。単行本は2021年9月現在47巻まで発売、シリーズ累計2700万部超。 |
ーコピックアワード2021の作品で気になるものはありましたか?
作品名:Orașul zeilor
作者名:Bădescu Maria Alexandra
「Orașul zeilor」/Bădescu Maria Alexandra
次世代アーティスト賞グランプリを受賞されたこちらの作品が、一番「原画を目の前で見てみたい」という気持ちになりました。
テクニックが未知の領域で、どのような紙にどのような細かさで描かれているのか、丹念に見て再現可能かどうかと考えてみたい・・・という感覚に。素晴らしく奥の深い作品でした。
ー作品を観る際はいつもどのようなところに着目していますか?また、コピックアワード2022ではどのような作品を期待しますか?
自分で描くときもいつも気にしている点なのですが、しっかり考えて攻めないと「ただ塗っただけ」になることが多いのです。
コピックアワードではその「塗っただけ」に留まらない多重に戦略的なイラストをたくさん見ることができるに違いないと胸が躍ります。
末次先生の作業スペース
コピックスケッチやチャオ、旧型のバリオスインクなどがたくさん使用されている。
ーコピックの出会いや思い出のエピソードはありますか?
コピックをしっかり扱おうと決めたのが遅くて、ここ5年くらいなのでまだまだ未熟すぎるのですが、「こんなにいろんなことができる画材だったのか」と使うほどに思います。
「絵が好き」というタイプの子供に出逢ったら、ご両親にコピックの初心者セットをお勧めすることが多いし、私自身プレゼントしたりします。コピックを使ってくれたら、「絵が好き」という世界で同じ言語を語れるようになる気がします。
ーコピックアワード2022審査員としての意気込み、応募を予定している方へのメッセージをお願いいたします。
応募を検討されるのは、言われなくても「絵が好き」な世界の皆さんに違いありません。
みなさんの瑞々しいたくさんの「好き」に撃ち抜かれたいです。
コピックの世界は深く広く高い…と呆気にとられるような作品をお待ちしています。
末次さん、皆さんへのメッセージありがとうございました。