2022受賞作品

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コピックアワード2022
結果発表

第5回目となったコピックアワード2022には、3600点以上もの素晴らしい作品が寄せられました。
たくさんのご応募をありがとうございました。

COPIC AEARD NFT STORE

受賞作品

グランプリ

9つの物語
まる
Key Colors
  • BV000
    Iridescent Mauve

  • RV04
    Shock Pink

  • Y02
    Canary Yellow

審査員コメント

審査会で現物を見たときに切り絵の作品だということがわかりました。切って、貼り合わせることによって、きちんと輪郭を持ったものとして立ち上がってくる、そういった色の組み合わせの面白さに加えて、この人物の表情の豊かさ、あるいはそのキャラクターの豊かさというようなところが相まって、非常に魅力的な作品だと思います。切り絵だからこそできた試行錯誤が伝わってきて、膨大な時間をかけて実験をして制作をされて、かつそれを非常に楽しみながら制作をされたんだろうなということが強く伝わってきました。

(木村絵理子)

その絵をもっと知りたい、ここどうなっているんだろう、と探りたい気持ちと堪能したい気持ちをすごく満たしてくれる作品で、コピックの色の多様さやグラデーションの可能性などもテクニック的に折り込まれた、いい面がいっぱい出た作品です。9つの物語というテーマもよくって、1人にしなかった欲張り感も素晴らしいなと思います。人間はみんな多様であり、もっとパターンが描ける、というのがよく伝わってきます。いろんな人のことをよく見ている方なんだろうなという想像ができ、この作者さんの人間に対する愛情みたいなものも感じることができる作品だと思います。

(末次由紀)

準グランプリ

'From Within' (anaglyph art)
Kat Young
Key Colors
  • B23
    Phthalo Blue

  • R24
    Prawn

  • BV25
    Grayish Violet

審査員コメント

立体視のメガネを使って見せるというアイデア的な作品ではあるけど、そこを抜いても、描写力と構成の上手さ、ポージングの綺麗さ、色使いの心地良さなど、どこを取ってもレベルが高く良い作品です。肌の質感なども緻密で、近くで見てもどうやって描いているか分からないなど、見れば見るほど魅力がある作品だと思いました。

(一乗ひかる)

圧倒的な画力と、人体に対する深い知識のようなものを感じました。デジタルのような表現に見えて、実際デジタルで描こうと思ってもできない、何かそういうアナログからデジタルへの挑戦のようなものすら伝わってくる、素晴らしい作品だと思います。

(根津孝太)

準グランプリ

Trial and error
Henrik
Key Colors
  • C0
    Cool Gray No.0

  • YG11
    Mignonette

  • BV13
    Hydrangea Blue

審査員コメント

グランプリの作品とは対照的に色はシンプルでシックな落ち着いた色ですが、それもまたコピックの良さでもあるし、微妙なにじみやトーン、この淡いグラデーションをうまく表現できる技術力が高いな、という評価がまずあります。
また、描かれてるものが何かはっきりとはよく分からないんだけれども、これが何であるか、という説明がないぶん、この画面の中に存在するモチーフが残すイメージからじわじわ考えさせられるようなパワーが伝わってきます。

(押元一敏)

この質感の豊かな表現がとっても気になった作品でした。ベルトがたくさんある服のような部分、その緻密な感じと、外に向かうにつれて柔らかくそのまま溶けていくような感じの柔らかい質感と、いろんな質感を使い分け描き分けつつも立体感も感じられる描き方で、技術的に絵画として非常に優れています。同時に、淡い色合いと相まってとても具体的なイメージだけれど幻想的に見える、という非常に面白い作品だなと思いました。

(木村絵理子)

次世代アーティスト賞グランプリ

What a sweet space!
instagram
ゆきえ
Key Colors
  • R32
    Peach

  • Y11
    Pale Yellow

  • YG03
    Yellow Green

審査員コメント

この絵は、初めて見た時にすごく幸せな気持ちになりました。お店の棚にいい加減なものが並んでいない、ちゃんと一個一個の商品をデザインするっていう熱量をもって丁寧に描いていて、本当に隅々まで愛を込めて描いてるのが伝わります。描き込みのすごさだったり描き手のモチーフへの愛がこちらを幸せにしてくれます。そんな素晴らしい絵をぜひ次世代アーティスト賞に選びたいなと思いました。

(根津孝太)

コピックは色が豊かなので、ありすぎて選べない、選ぶところで失敗してしまって、ガチャガチャした絵になってしまうということがあり、私もすごく悩みます。でもその調和が美しい印象的な作品が何点かあって、特にこのゆきえさんのポップな色味でお菓子とかマテリアルがいっぱいの作品は本当に色が素敵だと感じました。

(末次由紀)

一乗ひかる 審査員賞

Memory
instagram
Gabriel Cândido
Key Colors
  • B29
    Ultramarine

  • E93
    Tea Rose

  • YR31
    Light Reddish Yellow

審査員コメント

この作品はウェブでの画像審査の時からずっと気になっていました。
判断基準としてはこれが例えば書籍に使われてたらどうか、アパレルに落とし込まれてたら欲しいか、そういう判断基準で私は見ていましたが、その中で単純に絵が好きだなと思いました。
色使い、間の取り方、この人の表情とかラインの取り方とか、そういうところが単純に自分が見ていて心地良くて、家に持って帰りたいなっていう気持ちになりました。

根津孝太 審査員賞

The Unvisitable Theater
instagram
Julian Rickert
Key Colors
  • R22
    Light Prawn

  • E11
    Barley Beige

  • B12
    Ice Blue

審査員コメント

人体を一つの世界に見立てて、しかもそのままではなくて、ちょっとメカっぽい要素に変換したような作品で、見てるだけでワクワクする作品なんですよね。
レイヤー構造になっているのでより世界を感じさせる表現ができていますし、実物を見てわかったことなんですけど透明素材を上手に使っていたりとか、その透明素材の向こうに赤血球かなって思われるようなものがポコっと置いていたりだとか、いろんなところをとても楽しんで作ってくださったんだと思います。
見ているこっちも飛び出す絵本の世界に入り込んだような、一つの世界に宇宙に入り込んだような楽しい気持ちにさせてくれる作品だと思い選ばせていただきました。

押元 一敏 審査員賞

日本〜modern〜
川名綾子
Key Colors
  • E08
    Brown

  • G21
    Lime Green

  • E31
    Brick Beige

審査員コメント

一見してのインパクトは他の作品の方が強かったのですが、審査会で現物を見させてもらって想像していた以上に小さい作品ということに驚きました。もう少し大きい画面に描いてるのだろうなと思ったので、この小さい中にこんなに細かい表現ができているというそのギャップが非常に魅力になって伝わってきました。

木村 絵理子 審査員賞

空から見た懐かしい街並み
instagram
Yuzuki16y/o
Key Colors
  • G17
    Forest Green

  • R35
    Coral

  • B23
    Phthalo Blue

審査員コメント

「懐かしい風景」というのをテーマにされていますが、住宅街の隣にいきなり大きなデパートがあったり、丘やトンネルがあってそこに電車が入っていく、という現実には起きえない空想上の町を描かれていて、でもそれがとても自然な感じで一つの画面の中に収まっています。現実には存在しない場所なんだけれども、一つの世界観として見事にまとまっている、いうところがとても魅力的な作品だなと思いました。
この先きっと色んなものに興味を持って色んな世界観の作品を描いていかれることになるんじゃないかなと思います。将来の作品も楽しみにしています。

末次 由紀 審査員賞

バクバクバク
twitter
スモサモ
Key Colors
  • R02
    Rose Salmon

  • BV01
    Viola

  • B63
    Light Hydrangea

審査員コメント

この世にないモチーフをこんなに生き生きと躍動感あるデザインで構成していて、画面のレイアウトもとても素晴らしく引き込まれました。朱色とブルーという難しい色をうまく調和させているところも評価したいです。私もコピックを使うので色んな使い方を試行錯誤していることから感じたのですが、スモサモさんは、広がりのある美しいグラデーションを描くのに、水の伸びやかさ、透明な液体の伸びやかさをうまく使っていたりだとか、「コピックはマーカー」ということに縛られずに、一歩進んで自由に描くことができる描き手さんだというのを感じました。コピックの新しい良い面を持って使いこなしている点や作品のクオリティの高さをすごく推したいなと思って、審査員賞に選ばせていただきました。

pixiv賞

宇宙食
twitter instagram
平野優花
Key Colors
  • B04
    Tahitian Blue

  • B00
    Frost Blue

  • RV42
    Salmon Pink

審査員コメント

本当にいろいろな候補があって迷いましたが、この作品はキャラクターの魅力がすごくはっきり出ていて、pixivらしさがあると感じました。「宇宙食」というタイトルの通り、宇宙っぽいけど、よく見るとヘルメットが割れていたり深読みできるようなコンセプトなど面白いと感じる要素もたくさんあります。見れば見るほど引き込まれ、かつキャラクターも可愛らしくて、pixivに掲載されていたらランキングの上位にも入っていそうという理由から選ばせていただきました。

SNS賞

Lunar eclipse 〜月食〜
twitter instagram
さあや
Key Colors
  • RV91
    Grayish Cherry

  • BG70
    Ocean Mist

  • Y28
    Lionet Gold

審査員コメント

キャラクターが持つ魅力はもちろん、テーマとされている月食の月の描き込みや色使いも丁寧で素晴らしく、一枚絵としての完成度の高さがうかがえます。オリジナルのコピックインクを使ったり、マルチライナーやオペークホワイトといったアイテムを楽しみながら使いこなしていると感じました。この作者の作品はコピックアワード2021でも入選されていましたが、よりパワーアップした印象を受けました。今後の作品も楽しみにしています。

APACエリア賞

Underwater goddess
facebook
Angkarn B.Chantana
Key Colors
  • BG34
    Horizon Green

  • B28
    Royal Blue

  • R17
    Lipstick Orange

審査員コメント

深い海の底を、とても細かいタッチで神秘的に表現している点が素晴らしいです。マルチライナーで描かれた着彩前のイラストも、かけた時間の長さと集中力が伝わってくるようです。

EMEエリア賞

Dancing in the Rain
facebook instagram
Michaela Koleva
Key Colors
  • C3
    Cool Gray No.3

  • R00
    Pinkish White

  • RV11
    Pink

審査員コメント

雨の降る寂しい情景とダンサーの対比が魅力的です。彼女は雨に濡れるのも車が通るのも気にせず、心穏やかに踊っている。いまここに生きている、そしてその瞬間を楽しんでいる。そんな純粋な自由が感じられる作品です。

(Jasmin Marx (Holtz Office Support)、Lidya Cankardes)

NAエリア賞

Trusted Requiem
instagram
KaitCreates
Key Colors
  • E00
    Cotton Pearl

  • B05
    Process Blue

  • RV02
    Sugared Almond Pink

審査員コメント

色使いが秀逸な作品です。リアルに描かれているだけでなく、モデルの視線が逸らされていることで物語性が生まれ、「もっと近くで見てみたい」と思わせます。明るい色調で描かれているのに、空を見上げている彼女の肌はひび割れている。彼女は誰を見ているのか、何を見ているのか。彼女を取り囲む蝶々にはどんな意味があるのだろうか。なぜこの作品に "Trusted Requiem "というタイトルをつけたのか?この作品について考えることがやめられません。

(Shannon Brouk)

LATAMエリア賞

Tregua
instagram
Dahlia Clown
Key Colors
  • YR23
    Yellow Ochre

  • C6
    Cool Gray No.6

  • R05
    Salmon Red

審査員コメント

蜂をモチーフにした独創的な着物のデザインやホワイトなども駆使した細部にわたる描き込みに惹かれました。グレーとオレンジの独特なコントラストやグラデーションが印象的な作品です。

Africaエリア賞

Rooi
instagram
Trish Conradie
Key Colors
  • R46
    Strong Red

  • R27
    Cadmium Red

  • V99
    Aubergine

審査員コメント

コピックインク、コピックマーカー、コピックオペークホワイトの組み合わせが印象的でした。力強く鮮やかな色彩と、暗めのビロードのような背景が見事に対照をなしている。私たちが特に注目した一枚です。

キッズ賞

宇宙にまたたく深海の輝き
twitter instagram
tsukimiirodori
Key Colors
  • BV25
    Grayish Violet

  • B97
    Night Blue

  • B93
    Light Crockery Blue

審査員コメント

線がはっきりと描かれてないからこそ、じっと見てしまう吸引力を持った作品。インクの自然なにじみが宇宙や深海の神秘的な不明確さにぴったりです。作品コメントを見てなるほどと思うと同時に、テーマやその表現力の高さに驚かされました。

キッズ賞

ドラゴンの宇宙
ハルセウス
Key Colors
  • B05
    Process Blue

  • W7
    Warm Gray No.7

  • R17
    Lipstick Orange

審査員コメント

木や太陽、ドラゴンの描きこみから楽しんで一生懸命描かれた一枚だと感じました。惑星の大きさと比較するように宇宙に広がる星の小さな煌めきも上手に表現されており、自分の目で見ることは難しい世界だけど、きっとこうなんじゃないかという期待を含んだワクワクした気持ちが伝わってきます。

キッズ賞

The King of the Night
instagram
Huzaifah
Key Colors
  • 100
    Black

審査員コメント

見たまま描いたのではなく、自分の中でかっこいいと思うワシミミズクの像を忠実に再現したのだろうなというのが伝わってきます。月を背にした構図や翼に広がる星空もロマンがあって素敵です。8歳ながらすでに自分の描き方を掴んでいるように感じました。今後の作品も期待しています。

インクアート賞

Promesse P.1.22
facebook instagram
Laurane Salmon atelier L•MagicArt
審査員コメント

本作品はアルコールインクの技法への卓越した理解を示しており、複雑かつ繊細なラインワークで美しい流れを作り出し、濃淡の表現により美しい奥行き感を生み出しています。色調から線の描画、そしてその先に至るまで、本当に素晴らしいです。

(Marissa Recker [Astuary Art])

クラフト賞

異類
張依淳
Key Colors
  • B05
    Process Blue

  • RV06
    Cerise

  • Y08
    Acid Yellow

審査員コメント

繊維にもよく発色するコピックのインクの特徴を鮮やかに引き出した1点。青い花と蝶が存在する意味合いなどのストーリー性も盛り込まれており、華やかなだけでなく考えさせられる作品でした。

TCA クラフト賞

Lolita Dress
instagram
Helena Kavano
Key Colors
  • V12
    Pale Lilac

  • N2
    Neutral Gray No.2

  • N4
    Neutral Gray No.4

審査員コメント

本年度応募のあったクラフト作品のなかでもっとも興味深かったのが本作品でした。作者はコピックと紙だけで布の質感を見事に表現しており、素晴らしいと思います。

(Shannon Brouk)

COPIC TEAM賞

青を描く
twitter
梅星太朗
Key Colors
  • B00
    Frost Blue

  • B32
    Pale Blue

  • BV0000
    Pale Thistle

審査員コメント

コピックの性質を活かした良さを強く感じた作品で、技術の高さに見入ってしまいました。インクをにじませないコントロールに高い集中を感じます。独特な着彩方法や、コピックアワード2020でも入選された時の作品と通ずる並々ならぬ「青色」へのこだわりなど、作者の方に聞いてみたい気になる点がぎゅっと詰まった作品です。

入選作品

審査員

一乗ひかる

イラストレーター

根津 孝太

デザイナー

押元 一敏

東京藝術大学デザイン科准教授/画家

木村 絵理子

キュレーター/横浜美術館・主任学芸員

末次 由紀

漫画家

コピックアワード審査会
レポート

2022年12月某日、コピックアワード2022の最終審査会を行いました。

今年も新型コロナウイルスの感染症拡大の影響を考慮しながら、原画での最終審査会が行われました。
世界中からご応募いただいた3600点を超える作品の中から審査員が選んだ入選作品の原画が並ぶ様子は非常に感慨深く壮観です。
一次審査の際に悩みながらも断腸の思いで選んだ作品と対面した審査員の方々は、予想を超えた作品のクオリティに感激しながらも多くの応募作品を想い、身の引き締まる思いだったと話します。

コピックアワードの見どころは、国や地域を限定することなく募集しているため世界中のコピックユーザーが手がけた素晴らしい作品が一同で見られるという点にもあります。
今年の入選作品も表現方法は多岐に渡り、幅広いアプローチの作品が集まりました。


「デジタルっぽい表現に見えて実際デジタルではできない。
アナログからのデジタルへの挑戦。」と言わしめた、
3Dメガネを通して印象がガラッと変わるような作品も登場し会場を感嘆させました。

アナログ画材であるコピック製品で制作された作品ということもあり、原画で見てこそ良さがより活きる作品も多く見受けられました。
「コピックのペン先から作品が生まれる小さな世界の中でこんなに豊かな表現ができる、ということを見せてもらえた貴重な体験だった。」と審査員の木村 絵理子さんが話すように、生で見ないとわからないサイズ感から伝わる緻密さ、”コピックで色を塗る”という作業といえど、素材作りから始まるもの、切り貼りして作られたもの、他の素材と混ぜて色を出したものなど、いずれの作品もひとつひとつの繊細な表現が積み重なり出来上がっているのだということが作品から強く伝わりました。

今回のグランプリ、準グランプリに選ばれた作品も、それぞれ作者の「これを描きたい」という気持ちが滲み出るような個性と、完成までにかけられた丁寧さが特に伝わるようなものでした。ぜひ改めて応募作品をじっくりとご覧いただけますと幸いです。

コピックアワードには、非常に魅力的でまだ秘めた可能性を持つような作品が多く集まります。
「コピックアワードの熱量というのは応募作品ひとつひとつからのエネルギーの集合体」と根津さんが話すように、審査員、そしてスタッフメンバーは作品に注ぎ込まれた熱意を画面越しにもしっかりと感じ取っています。今回の応募作品が惜しくも入選・受賞作品に選ばれなかった方も、その個性を大切に磨いていただき、自分が素晴らしいと思える作品作りをこれからも続けていただけることを願っています。

そして、第6回目となる「コピックアワード2023」の開催も決定いたしました!詳細は順次WEBサイトやSNSでお知らせいたします。
ぜひご自身が描きたいもの、描いていて楽しいもの、極めたいもの、伝えたいことなどそれぞれ自由にテーマを設定して制作された作品をご応募ください。また次回のアワードで新しい作品に出会えるのを心より楽しみにしています。

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