The winners of the COPIC AWARD 2019

コピックアワード2019の受賞作品が決定いたしました。たくさんのご応募をありがとうございました!

審査結果

グランプリ

The Explorer

Grace Netanya

United States of America

Key Colors

審査員全員一致で、この作品をグランプリに選出いたしましました。
あどけない少年がいて、鏡の向こうにいる違う姿をした自分の姿を見ている、その考えさせられるユニークな発想がまさに絵のイマジネーションの世界であり、とても素晴らしいと思いました。
ひとつの絵を描くということにおいて、やはり「何をテーマに描くか」ということが大切だと思います。基本的に世界的にお仕事をする場合はオリジナリティであるということがとても重要だと思います。今後もご自分の世界、オリジナリティを追求していただきたいと思います。

コメント:コシノジュンコ

準グランプリ

永き眠りから覚めて

ほしみ

Japan

Key Colors

まず、少女にインパクトがあります。決して強くはないけれど、麗しく美しく可憐でありながら、どこか憂いを感じる少女に魅了されました。(今回の作品の中でも)少女をモチーフにしたものは多いと思いますが、こちらの絵は緑の使い方が非常に独特で、他の色とのバランスが美しいことが決め手になりました。長き眠りから覚めて、SFだとか童話にも通ずるという普遍的なテーマですが、自分の世界観のなかに落とし込んで描かれているという点も魅力的に感じます。

コメント:手塚るみ子

準グランプリ

Mother

Rodrigo Matias

Brazil

Key Colors

細部まで丹念に描かれていて、細部どうしがきちんと関係していてひとつの世界を作ることに成功しています。描かれた女性の美しさもそうですが、落ち着いたトーンの色味の美しさにも引き込まれます。祈りの世界に吸い込まれる様な、描き手のエモーショナルさを感じることができる作品です。これからもぜひそのテンションを保ちながら作品を作っていってください。

コメント:松下計

コシノジュンコ審査員賞

Macaroon

ashleyphewlett

United States of America

Key Colors

この絵には迫ってくるような美味しさがあって、日常的で身近なものを画題に選んだというのがいいなと思い気に入った作品です。絵のテクニックよりは、作者が思わず描きたくなってこの絵を描いたのかなと感じることのできた点を評価させていただきました。これを機会に、衣食だとか身近なものをテーマに、もっと色々なものをかいて自分の世界を作っていっていただければと思います。

コメント:コシノジュンコ

岡田勉審査員賞

保鮮盒裡的鮭魚頭

莫嘉賓

Taiwan

Key Colors

大変緻密でリアリティに書き込まれてあり、絵の生臭さまで伝わって来ます。ここまで描ける人はなかなかいないのではと思います。アートの世界では、色々な画材を使って写実的に描くスーパーリアリズムといった手法が昔からありますが、リアルに描くことによって絵になるようなモチーフを描いていることが多いです。
しかしこの作品は、「スーパーに並んでいる魚の頭」という非常に日常的なもので普通は絵にならないものなのに、執念を持って描き込んで完成させているという点において大変興味を持ちました。他の作品も是非見てみたいと思います。正直、おかしなものを描いた作品だなとは思いましたが、人間にしか描けない作品だとも感じました。

コメント:岡田勉

松下計審査員賞

カモフラージュ・パターン・ウサギ

ガブリイズム・ガブリメリー

Japan

Key Colors

入選作品を(審査中に)俯瞰してみたときに最初に目について、その後もずっと印象的だった作品です。パターン画のように見えるのでコンピューターでも再現しやすい絵柄に思えますが、そこをあえて手書きで描いているからこそ出ている効果があり、手書きの良さがよく活かされている作品だと思います。似たような形バイアスを繰り返し手で描いてあることから、この世界のストーリーや詩のようなものを感じることができます。
いろんな素材やテーマー、画材を変えながら色々な作品を生み出せる作者の方だと思うので、これからも色々なメディアを試してみていただきたいです。

コメント:松下計

手塚るみ子審査員賞

绘意天王Painted heaven King

punkge

China

Key Colors

私自身は作家ではないので技術的な面は評価しにくいのですが、まず非常に細かな線で描かれている点に加え、作家の目の前に絵を描く神様が現れて「何かを伝えているのでは?」と考えさせるストーリー性がある点を評価させていただきました。
手塚治虫も、自身の漫画の中で漫画の神様といった存在から「再三おごることなかれ」というプレッシャーを感じると描いていることもあり、絵を描く人は常にこういった神様のような存在から、常にプレッシャーや説教を受けてそれを背負いながら描いているのでは、という物語が伺えます。

コメント:手塚るみ子

種村有菜審査員賞

夢想家

ユエ

Japan

Key Colors

この度は素晴らしい作品をご応募くださり誠にありがとうございます。審査員をするという機会に恵まれ、この作品に出会えたことがとても嬉しいです、そのくらいこの絵に一瞬で魅了されました。まず画力、甘い色合い、そして描き込みのバランス、全てが美しいです。コピックの特性である薄くて綺麗な色を生かした画面構成もよく考えられています。
この素晴らしさを宝にして、これからも素敵な作品を生み出して世界に発信していっていただきたいです。

コメント:種村有菜

pixiv賞

紫陽花ドレス

ぷぅ

Japan

Key Colors

ポーズやキャラクターデザインはもちろんのこと、実物の絵が、パソコンの画面上で見ていたデータと比べて遜色がないくらいすばらしい発色をもつ美しさに驚いた作品です。あらためてアナログイラストの底力を実感できる作品だと感じました。
梅雨の6月の季節に絡めたアジサイや女の子が非常にかわいらしく、弊社のユーザーの方々も喜ばれるのではと思い選ばせていただきました。

コメント:清水千年(ピクシブ株式会社取締役)

次世代アーティスト賞グランプリ

サンゴの海でかくれんぼ

柳生千裕

Japan

Key Colors

初見で見た時に衝撃が忘れられなかった作品です。配色のバランスがすごく綺麗ですよね。とても緻密に描かれていて、原画を見ると想像をはるかに超えて綺麗なことがわかります。
そして『かくれんぼ』というタイトル通り、色々なところに「レタス」とか「プロテイン」だとか不思議なさまざまなメッセージが残されていて、思わず考えさせられるような素晴らしいアート作品だと思いました。

コメント:谷村紀明

コピックアワード授賞式レポート

2019年6月14日、コピックアワード2019の結果発表と授賞式を行いましたのでその様子を紹介させていただきます。

授賞式の会場は東京で行われました。ライブ配信で多くの注目を集める中、トゥーマーカープロダクツの代表・石井剛太の挨拶を皮切りに、多彩なジャンルで活躍されている豪華な審査員の皆さまから一言ずつコメントをいただき、各賞の発表に移ります。

まずは、第2回目となった今回より設けられた次世代アーティスト賞グランプリを発表。
次世代アーティスト賞グランプリには『サンゴの海でかくれんぼ』、柳生千裕さんの作品が選ばれました。

大喜びでトロフィーを受け取る柳生さんにより会場も和やかな空気に。先入観を避けるために作者の年齢・国籍を伏せて審査を行ったため、受賞者が10歳の子だと知り審査員の方々も驚いている様子でした。

続いて、各審査員賞とpixiv賞の発表。授賞式の様子がYoutubeにてライブ配信されたこともあり、受賞者の喜びのコメントも配信チャンネル内で見ることができました。各作品への審査ポイントは「受賞作品」ページの講評をぜひご覧ください。

準グランプリの2作品の発表へと移ります。なお、グランプリ、準グランプリの受賞者には最終的な結果を伏せたまま、副賞のひとつとして東京にお招きさせていただきました。
準グランプリのひとつは『Mother』、Rodrigo Matias さんの作品です。丹念に描かれた細やかな描写と、そのディテールによって築かれた世界観が高く評価されました。
Rodrigoさんからは作品について「実は5年前に母にプレゼントした元となった作品があるのですが、昨年その母が亡くなり、コピックアワードを機にコピックでリメイクしたものがこの作品です。思い入れのある作品なので、受賞を非常に嬉しく思います。」と語られました。

準グランプリのもうひと作品には『永き眠りから覚めて』、ほしみ さんの作品が選ばれました。
コピックのプロユーザーとしても人気の高い種村有菜さんからも、細やかな作画力・コピックテクニックの高さについて言及されていた作品です。これまでに多くのクリエイターが題材にしてきた「長い眠りから目覚める」というテーマを、独自の解釈で描いている点が評価されました。

ほしみさんは、コピックアワードに作品を出すかどうか、締め切り直前まで悩んだとのこと。この度の受賞を応援してくれた家族や友人などたくさんの人に感謝したいと話をしていただきました。

そして、審査員を代表してコシノジュンコさんからグランプリ作品が発表。グランプリには『The Explorer』、Grace Netanyaさんの作品が選ばれました!
あどけない少年と鏡の向こうの世界を描いた作品で、ユニークな発想で描いたイマジネーションの世界が評価されました。興奮した様子のGraceさんからは、喜びのコメントと作品に込められた思いが語られました。

「この絵は少年が自分の未来を思い描いた姿を描いています。スーパーヒーローに憧れる年頃より少し大きくなって『具体的に、自分は何になりたいか?』ということ。これは私にとっても重要なテーマです。アートは自分にとってイマジネーションを表現する場であり、とても大切なものです。」


受賞者・審査員の皆様と記念撮影

賞の発表の後は懇親会があり、入選者同士で制作活動について話をしたり審査員から直接作品への感想を聞いたりと和やかな時間を過ごしていただきました。作品の背景にそれぞれのストーリーがあり、いずれも悩んだり楽しんだりしながら思いをこめて制作されたものだということを改めて実感する機会となりました。受賞作品に限らず、すべての応募作品に感謝いたします。コピックアワード2019に応募していただいた皆様、本当にありがとうございました!

次回開催が決定!

コピックアワード2020の開催も決定いたしました。次回の作品募集は2020年1月から開始予定です。
また皆様の素晴らしい作品が見れるのを楽しみにしております!このアワードが、コピックを楽しむきっかけとなりましたら幸いです。