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【インタビュー】2022年入選者、sushidogさん

 2023.12.26

コピックアワード2022にて入選に輝いたsushidogさんにコピックABS(エアーブラッシングシステム)にフォーカスしたインタビューを行いました!
sushidogさんの作画の特徴的な”ざらつき”を表現するのに欠かせない、エアブラシのテクニックが拝見できるメイキング動画も必見です。

sushidog
2022年コピックアワード入選。
Twitch公式パートナー配信者。
アナログイラスト制作を中心に、配信は日本語と英語のバイリンガルで行う。
エアブラシに興味を持ち、コピックABSを使った新しい表現方法を日々模索しながら作品制作に向き合っている。
X(Twitter):osushichan6  Instagram:sushidog_art

YouTubeにてメイキング動画公開中!

コピックスケッチを使ったなめらかな着色と、特有の粒子が入り混じるエアブラシが効果的に、作品にさまざまな彩りを加えています。
コピックエアブラシをご存知ない方もぜひこの機会にエアブラシの世界に触れてみてくださいね。
線画やステンシルの素材もコピック公式サイトにて公開中です。

インタビュー

Q.sushidogさんの経歴についてお話しいただけますか?
sushidog父がアメリカ人、母が日本人ですので、両国の食べ物で私が好きなホットドッグと寿司を合わせてsushidogと名乗っています。
幼少期からお絵描きが大好きで、趣味が高じてアメリカのコミッションサイトを通じてイラスト制作活動をしていました。
2019年末に日本で生活を始めた後、感染症の影響のため自宅で作業することが多くなった際に自分の作品や活動を知ってもらうための場の一つとして配信を始めました。イラスト制作を配信していく過程でアナログイラストの楽しさにのめりこみ、配信者兼イラストレーターとして現在活動をしています。

Q.sushidogさんがコピックを使うようになったきっかけを教えてください。
sushidog:子供の頃コピックを使った漫画のカラーイラストがとてもきれいで印象に残っていました。自分でも少しだけコピックを触る機会があったのですが、発色の良さと描き心地がとても印象的でした。大人になってイラスト制作を始めた当初はデジタルでの活動が中心でしたが、試行錯誤をしていく中でアナログイラスト制作のほうが肌に合っていることに気づきました。画材を試す中でコピックの扱いやすさを再確認し、それからメインの画材として使用させて頂いています。

Q.幼少期はアメリカにお住まいだったとのことですが、作品作りにあたって、日本とアメリカ2つの環境で影響を受けるものに違いはありましたか? 
sushidog:はい。アメリカに住んでいた時はリサフランクさんの作品に触れることが多く、カラフルな色使いに生物モチーフを組み合わせるテクニックをとても興味深く思っています。日本では特に漫画の表現力に興味を持ち、スクリーントーンやコピックの彩色など様々な方から影響を受けました。

Q.sushidogさんの描かれる女の子たちは感情が伝わってくるような作品が多いと感じます。描かれる上で意識していることはありますか? 
sushidog:そのキャラクターが今何をしているか、どんな気持ちかというのを考えながら、バックストーリーを考えてありまして、漫画のワンシーンのように、一場面で様々な情報を示せるよう努めています。

 

コピックアワード2022 入選
"Nature's beautiful Patterns"

Q.コピックアワード2022では入選おめでとうございました! 
アワードにご応募いただいた作品もそうですが、sushidogさんの作品はコピックABS(エアーブラシングシステム)を用いたものがとても多いですね。 ABSを使ってみようと思ったきっかけと、魅力を教えてください。 

sushidog:ありがとうございます!
子供の頃から日本の漫画が大好きで、特に90年代の漫画で使われていたエアブラシを使用したイラストがキラキラした感じがあって印象に残っていました。アナログイラストの画材としてエアブラシを考えていましたが、導入の敷居が高く半ばあきらめていました。そんな時コピックABSを店頭で見つけ、コンプレッサーなど仰々しい機器がいらないことに惹かれ使ってみたところ、エアブラシ特有の質感を得られたことに驚きました。コピックを使った塗りは発色が良かったりぼかし表現が出来たりとなめらかな質感が特徴だと思いますが、コピックABSを取り入れることでざらざらとした質感をプラスすることが出来、一味違う仕上がりにできることが魅力と思っています。


 

Q.マーカータイプと比べ、具体的に作品のどういった部分に使われることが多いですか?
sushidog:背景に使います。90年代の少女漫画のような背景のほわっとした感じ、またはネオンのように光っている魔法陣などの表現に使っています。また、キャラクターのディテールにも使用しており、影や黒いタイツに使うと単にコピックで塗るより独特の質感を増すことが出来ます。ステンシルやマスキングシートを使用すると細かい部分まできれいに着色できますので、新しい表現方法を見つけることも楽しいです。

Q.使用している紙はなんですか?上手にエアブラシを吹くコツを教えてください。 
sushidog:コピック ペーパーセレクション 特選上質紙です。エアブラシのコツは少し遠めに塗るのと色を重ねるときれいです!吹き出し口を紙に近づけすぎず、少し離してみるとうまく混色できると思います。

Q.コピックABSは缶を使用する直結タイプとコンプレッサーに繋げる連結タイプがありますが、どちらを使用されていますか? 
またどのように使い分けるのがおすすめでしょうか? 

sushidog:現在は連結タイプを使用しています。長時間のイラスト制作や新しい塗り方の研究をする際に、安定して使用できるためです。
直結タイプは長時間のイラスト制作には向きませんが、信じられないほどお手軽です。一般的にエアブラシというとコンプレッサーを用意したり、専用の換気設備を用意したりなど手間がかかる印象でしたが、好きな色のコピックをはめこむだけで使えることにとても驚きました。エアブラシを初めて使う方やワンポイントで使用したい方にお勧めです。

Q.sushidogさんお気に入りのABSテクニックを教えてください。 
sushidog:コピックアワードにも出したテクニックなのですが、そばかすを表現するときに指でABSをブロックしてランダムに気流を乱すことであえて不均一なドットを描けるように工夫しました。どうインクが散らばるか、少し運要素が入っているところが、アナログイラストの醍醐味で楽しく描けました。

Q.ABSのテクニック動画ではステンシルシートやマスキングシートなどいろいろなアイテムを使っていましたが、ABSを始めるにあたって「持っていた方がいい!」とおすすめするアイテムをぜひ教えてください。 
sushidog:「持っていた方がいい」というものはマスキングシートだと思いますが、まずはお手軽に始めて頂いて、ABSを楽しんでもらいたいです。お近くの100円ショップなどに行って、可愛いレースやハートのシール2、造花など買ってもらって、それらを紙の上に好きな色を使って塗って見てください。色んなものを使ってエアブラシすることで、ご自分の作品に必要なアイテムが見えてくると思います。

Q.線画でもマルチライナーを使ってくださっていますね。おすすめの色と線幅はなんですか?
sushidog:やや少年漫画のような、ぱきっとした線画が好きなのでマルチライナー ブラックを多用しています。主に0.03を使用しますが、線画を太くしたい場合0.05で重ね塗りをしています。
また、色付きのマルチライナーを髪の毛の内側の線や花など柔らかい仕上がりにしたいときに使用しています。


イラスト制作配信中の画面。配信でもABSも使い、ファンの方とも積極的に交流している。

Q.sushidogさんはTwitch公式パートナー配信者として活動されていますね。イラスト制作をしながら配信というのは大変ではないですか? 
sushidog:そうですね。
もともと自分の作品を知ってもらおうと始めた配信活動でしたので、せっかく配信に来て下さっているリスナーさんにお見せするために、ある程度クオリティの高い作品をつくならければというプレッシャーがあり、大変に思うこともあります。
ですが、リスナーさん達は私の創作活動を応援してくれるだけではなく、配信中に楽しくおしゃべりをしてくれたり、制作過程で詰まった際はアイディアをくれたりと一緒に作業している感じがあるので毎日本当に楽しく配信が出来ています。

Q.ファンの方とも積極的に交流されていますね。ファンの方からコピックの質問を受けることはありますか? 
sushidog:コピックの質問は海外な方からも多くいただいております。どんな紙を使っているの?ほかのメーカーさんとの違いは?色塗りを間違えちゃったらどうするの?など多くの質問を頂いております。その都度、実際にわざとインクを落としてどうやってリカバリーするか、私の持っている紙を紹介するなどなど実践してお答えしております。


sushidogさんの作業環境。いろいろな画材のほか、配信に欠かせない機材も揃っている。

Q.デジタルも使用されますか?使う場合はどのタイミングで使用されますか?
sushidog:ラフで使用しています。
どうしても背景が決まらないときは制作途中でスキャンしたイラストに、デジタルで背景を仮置きしてみて制作の方針を決めるようにしています。

Q.sushidogさんが影響を受けているもの、インスピレーションの源になっているものはなんでしょうか。
sushidog:日本の漫画さん達からインスピレーションをもらっています!三浦健太郎先生のような細かい線画のタッチも憧れますし、峰倉かずや先生のコピックの塗り方も参考にしています。


コピック作品展「358colors」で展示された "灯り-Glimmer-"

最後に

Q.今後手掛けてみたいお仕事はありますか? 
sushidog:コピックABSの使い方について試行錯誤をしながら制作活動をしていますが、それらの手技をまとめて本にしたいと思っています。特に海外の人にはコピックABSを知らないという方も多く、そういった方にも魅力を伝えられるような内容にしたいですね。
また、子供の頃からいつか漫画として描いてみたいと温めていたお話が合って、それらの1シーンを358colorsの出展作品として描かせて頂きました。それらの作品を漫画として世に出していくことにも挑戦していきたいと思っています。

sushidogさんの魅力の一つであるカラフルさは、さまざまな影響を受けて生まれたものだったのですね。ABSの魅力を最大限に引き出し、創作活動を楽しむ姿はとても輝いています。
配信を通じたファンの方との交流や、自己プロデュースの高い能力など、大変興味深いお話をお伺いすることができました。
続々と新しい作品を発表し精力的に活動されるsushidogさんをコピックチームはこれからもサポートして参ります。

貴重なお時間をいただきありがとうございました!

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